2014年に就農したペコロス農家です。年間約3トンのペコロスを生産しています。就農する前は、経済新聞の記者でした。記者時代の農業現場の取材の中で、高齢化と後継者不足が想像以上に深刻な現状に危機感を覚えたことが、農業を志すきっかけでした。 ちょうどそのころ、3人の子どもの子育てをしながらの働き方を再考する時期でもあり、一念発起、農業に転身しました。ペコロスの栽培を始めたのは、その可愛さとおいしさに魅力を感じた一方で、地元知多市の特産品でありながら、生産者の高齢化と後継者不足で生産量が著しく減少していることを知り、「何とかしたい」と思ったためです。 今は、ペコロスの生産を続ける一方で、生産者組合を挙げてのペコロス農家の育成や、新品種の開発に取り組み、知多産ペコロスの生産量向上を目指しています。

大正時代に外国船の船員から知多市にもたらされたペコロスは、自家採種で栽培を維持してきたため、伝統的に品種改良の技術も受け継がれています。一方、ペコロスの品種改良の掛け合わせに向く扁平なタマネギの品種が国産では数少なくなっています。そこで海外3か国の在来種のタマネギからペコロスになれる可能性のある扁平なものを探し出し、日本でも栽培することで、それぞれの良い特徴を生かした新しいペコロス開発に生かしたいと考えています。