どうして柿の渋みを感じるの?管理栄養士が教える渋柿と甘柿の違い

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秋といえば、「柿」が有名なくだものの一つですね。そのまま生で食べるのはもちろん、干し柿や焼き菓子などにも使われる柿。

今回は、そんな柿の「ちょっとした豆知識」と、管理栄養士がお伝えする「体に与える渋みの影響を」を伝授いたします♫

「神様の食べ物」と呼ばれる柿

柿は、日本でも昔からあるくだもの。なかでも、渋柿は約800年も前(1214年)にはあったとされています。つまり、鎌倉時代には、すでに柿があったことになりますね!!

日本の代表するくだもの(国果)といえば柿」と言われるほど、日本には昔からなじみ深いくだものであることがわかります。

そんな柿の学名は「Diospyros kaki(ディオスピロス カキ)」。難しそう…とも思えるのですが、実は、「神様の食べ物」という意味なんだそうです。そのくらい、美しいと称される日本を代表するくだものなんですね。

それにしても、「Diospyros kaki(ディオスピロス カキ)」って、学名でも「カキ」と入っているんです。これもなかなか珍しいことで、すごいことですよね!!

みんなも知っている!柿の木は〇〇の材料に使われていた

「柿といえば食べもの」..というのが一般的。しかし、柿の「木」は、むかし、みなさんも知っているアレに使われているんです!!

実は、「ゴルフクラブ」の材料です。柿の木は、非常に丈夫にもかかわらず、「しなやか」なのが特徴的。そのため、のらゴルフクラブの「ヘッド(頭)の部分」に使われていたんだとか。


パーシモンのゴルフクラブ(gooブログ「terryの蟲」より引用)

むかしは、国内のゴルフクラブメーカーが、日本各地の庭先に散在する柿の木を物色して利用したこともあったそうです。しかし、生産量が少なく安定しないことから、「パーシモン」と呼ばれるアメリカ産の柿(アメリカガキ)になっていったようです。

さらに、現在では、天然の木よりも金属系素材をゴルフクラブに使用されることが多くなってきたため、柿の木が使われることはあまりないようです。

「渋柿」と「甘柿」食べると「渋み」を感じるのはどうして??

柿は、大きく「渋柿」と「甘柿」に分けることができます。

一般的に、「甘柿」は、熟すと甘くなり渋みの消えるもの熟しても渋みが残るものは「渋柿」だと言われていますね。

はじめは渋柿だけだったのですが、のちのち品種改良によって渋みの少ない「甘柿」が誕生したようです。甘柿は、そのまま切って食べても甘くて美味しいですよね。


甘柿の1つである「富有柿」

一方、渋柿は、そのままでは渋くて食べることができません。そのため、スーパーなどの店頭に並ぶ前には、必ずアルコールや炭酸ガスを使って「渋抜き」という工程がなされています。

軒先で育てられた渋柿は、むかしから「干し柿」などにして、渋みを消して食べることが多いですよね。

柿を食べると「渋み」を感じるのはどうして??

実は、この柿の渋みは、「タンニン」という成分によるものです。「渋柿」はもちろんのこと、「甘柿」にも少なからず含まれています。

では、どうしてタンニンがある渋みを感じるかというと、タンニンは水に溶けやすく、口の中の唾液などで溶けた時に、口や舌の粘膜にあるたんぱく質が変性するからです。

この、タンニンがたんぱく質を変性させることを「収れん作用」というのですが、タンニンを取り入れることにより、この腸の粘膜にも「収れん作用」がおこるため、お腹の調子を整えてくれる効果があるようです。

そのため、タンニンを含む植物は「薬用植物」として使われることも多いそうです。


薬用植物カリン(「一般社団法人 奈良県薬剤師会」より引用)

柿の「渋み」をとる方法

上でお伝えした通り、渋みを感じるのは「タンニン」が「水に溶ける」から。

つまり、強い渋みを感じないようにさせるには、タンニンを水に溶けにくくすればいい!ということ。


(いち歩(「渋柿の渋抜きの7つの方法を試してみた」より引用)

そのために、干し柿にするのは有名ですが、その他の方法については、こちらに乗っています♫実際に試してブログに書いてくださっているので、とても参考になると思います(^^)

おすすめ!柿の保管方法

柿は通常、そのまま置いておくと2~3日で柔らかくなってしまうことが多くあります。しかし、せっかくならシャキシャキした食感で柿を楽しみたい!長持ちさせたい!そう思われる方も多いのでしゃないでしょうか。

そんな方のために必見の保管方法があります。


(まっちー食堂「1ヶ月も夢じゃない?!柿の保存方法♪の「食レポ GoGo島みかん」より写真引用)

①葉やヘタの部分に「湿り気のあるティッシュ」を当てた状態で、
②ビニール袋に柿を入れ、
③野菜室(入らなければ冷蔵庫)に入れる。

という方法です。

柿は、葉っぱと実の間でする呼吸が盛んであるため、ここから水分が抜けていきやすいのです。湿ったティッシュで抑えることにより、この部分から抜ける水分を防いでいるんですね♫

詳しく保管方法を知りたい方は、CookPadのこちらがとても参考になりますよ!!とっても大好評な方法です♫

10月26日は柿の日!

以上、今回は「柿」をテーマに、豆知識から、柿の渋み、そして保管方法までをお伝えさせていただきました。

「国果」とも言われている日本を代表する歴史の長い柿。実は、毎年10月26日は「柿の日」と言われています!

日本の有名な俳人・正岡子規が書いた有名な柿の句が関係しています。

「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」

この柿の句の書かれた日が、10月26日です。この時期は、柿が真っ赤に熟し初めて収穫期を迎えるとき。
そこで、この10月26日が「柿の日」に設定されたようです。

10月26日はもちろんのこと、今秋もたくさんの美味しい柿が、みなさまの食卓に並ぶことを願っています♫


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